• 雪平夏見 - 公安部公安総務課主任
  • 斉木 陣 - 同課管理官
  • 小久保祐二 - 刑事部捜査一課管理官
  • 山路哲夫 - 同課特殊班管理官
  • 蓮見杏奈 - 同課情報解析係
  • 三上薫 - 刑事部鑑識課検視官
  • 後藤国明 - テロリストのリーダー
  • 佐藤美央 - 夏見の娘(小学生)
愛娘にさよならを アンフェアな月 殺してもいい命

刑事、捜査一課検挙率No.1、そして「無駄に美人」な雪平夏見の活躍を描く秦建日子のベストセラー

バツイチ、子持ち、酒豪にして優秀!ブームに沸く刑事小説に異色のヒロインが誕生!

シリーズ開始当初は38歳だった

警視庁刑事部捜査一課強行班(後の作品で警務部監査官室に異動)に所属する警部補・雪平夏見は並み居る男性ライバル達を差し置いて、その検挙率でトップを誇る敏腕刑事。

しかしその私生活は30代でバツイチ、子持ち、しかも大酒飲み、「殺人的に汚いゴミ部屋」に住んでいるにもかかわらず(?)美人、というこれまでの刑事小説に登場するヒロインとしては異色のキャラクター設定となっている。

その独特なキャラクターと執拗な捜査姿勢でいくつもの難事件解決へと導いてきた彼女が初登場したのが、秦建日子のデビュー作『推理小説』だ。

『雪平夏見シリーズ』として現在に至るまで、第2作『アンフェアな月』、第3作『殺してもいい命 』、第4作『愛娘にさよならを』が発表されており、いずれもベストセラーとなっている。

2006年には女優・篠原涼子を主演に配して連続ドラマ「アンフェア」としてスタート。当時の日本の刑事ドラマにはシリアスな路線と予測不可能なストーリー展開、香川照之、寺島進などの実力派俳優陣による重厚な演技が視聴者から圧倒的な支持を受けた。

そして連続ドラマのラストから9ヵ月後の設定で描かれたスペシャルドラマ、「アンフェア the special コード・ブレーキング―暗号解読」が放送、そして初の映画化作品として「アンフェア the movie」が公開された。気になるストーリーは以下に少しだけ記してみたい。なおスペシャルドラマと映画版での彼女の所属は公安部公安総務課主任となっている。

日差しも穏やかなとある日朝―。警察内部の腐敗が仔細に書かれているという機密文書の存在を追っていた夏見を悲劇が襲う。彼女の車に乗って登校しようとしていた愛娘の美央と家政婦が車が突如、爆発炎上してしまう。

本来ならその朝、夏見本人が運転していたはずで、これは明らかに彼女の命を狙ったものだ。爆風の直撃を受けた家政婦は即死、美央も命を取り留めたものの重症を負い、豊洲警察病院に搬送される。

夫と別れ、仕事に打ち込む日々が続く夏見はその節々で娘に淋しい思いをさせていることは承知していたが、刑事を続けることで娘の命までも危険に晒すことにはじめて強い後悔の念を覚え、刑事のバッジを置く(職を辞す)ことも頭に過ぎるのだった…。

しかし、事件はここで終わらなかった。娘の美央が搬送された警察病院が武装したグループの襲撃を受け、多数の人質とともに病院を占拠されてしまったのだ。

警視庁は即座に指揮本部を設置して対応に臨むが、長期化を覚悟した彼らを愚弄するように人質は解放されはじめる。しかし、夏見の娘の姿だけが見当たらない。まだ、病院の中にいるのだ。

警察庁の入江次長はSAT(テロ対策特殊部隊)を突入を指示するが、病院に入った直後から一切の連絡が取れなくなってしまった。これは一体何を意味するのか!?

そして、犯人グループの狙いが明らかになる。その日、病院は全国20万人の警察官のトップである警察庁長官が来院しており、彼らは長官を人質とすべくこのタイミング襲撃したのだった。彼らは長官の解放と引き換えに条件を出す。それは「警察庁が不正にプールしてきた機密費(80億円)」を2時間以内に指定口座に振り込め、というものことだった。

彼らが交渉相手として公安部の斉木を指名するが、裏金の存在を否定する上層部は交渉そのものを拒否する。時間だけがむなしく過ぎていくなか、愛する美央の命を救うため、雪平は密かに病院へ潜入を決意する。しかし、彼女がそこで見たのは驚きの事実だった!